戦国新報
 
 
平成15年 前期
【 H15.1.19
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心構えを忠実に
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 人は目標を持って毎日働くことは大変良いことだ。だが今の世の中、権利だけ要求して義務を果たさない人が結構多い。その中で、目標を持って死力をつくして一所懸命がんばる人は見どころがあるし、重要な役割を与えてがんばってもらいたい気持ちになる。
 戦国の世、秀吉の仕事は信長の草履取りから始まった。いつ何時信長様からお声がかるか、常に声をかけられるのを待ち続ける仕事である。忠実にいつでも草履を差し上げられるよう体勢を整えていた。ある時は「犬」のように軒下に、うずくまって待ち続け、信長が馬に乗って走る時は馬の後を追いかけ、「これがわしの仕事の義務だ」と一生懸命仕えたのである。その結果いつしか侍大将になり、そして一国一城の主にまで出世した。自分の仕事のなんたるかを知り、常に与えられた仕事を忠実に目標を持って一所懸命働いた結果が、出世の道につながった。
 いつの時代も、忠実に働く者は、何事においても忠実で一所懸命であるし、忠実に付加価値をつけて励むことが成功への道につながるような気がする。目標を持たない者、あるいは不平不満をもらす者は何事もうまくいかないような気がする。だが、なかなかむずかしいことだ。

【文:高田 金道】