戦国新報
 
 
平成14年 前期
【 H14.5.5】
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速さが勝負
すすむ

 移り変わりの激しい世の中、「決断の速さ」と「動きの速さ」が最も重要な時代だ。そして決断が行動のスピードを決めるし、企業にとっても生き残りを決める要素であるような気がする。
 戦国の世、敵の予想もつかない素早い行動力で天下を取ったのが秀吉である。秀吉は、桶狭間の戦いで義元を破った信長の考え方をよく勉強していた。また、乱世では速い決断と素早い行動力を備えた者が、戦では勝利することを知っていた。トップ信長が、本能寺で明智光秀によって倒されたことを、中国地方の毛利方との戦いの最中に聞いた秀吉は、驚く反面素早い行動力で誰もが予想しなかったスピードで「中国大返し」を決断した。そして山崎の合戦で光秀を倒し、信長の仇を取った秀吉は、やがて信長の後継争いで、柴田勝家との賎ケ岳の合戦でも、決断の速さと素早い行動力で勝負を決め、天下取りへの足がかりを築いた。
 今の世は不況だが、素早く社内機構を改革することも必要だし、人の動きの速さも、最も重要な気がするが、わかっていてもなかなかむずかしいことだ。

【文:高田 金道】