戦国新報
 
 
平成14年 前期
【 H14.5.12】
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小さな石が大きな石を支える

 この連休に私はある城下町を訪ねて、お城の石垣を見てきました。いつも思うのですが、城の石垣は大きな石ばかりでびっくりします。やはり大きな石がなければ、城の石垣は造れないような気がする。しかしよく石垣を見てみると、大きな石垣だけでは丈夫な石垣は組めないことに気がつきました。それは大きな石では組めない小さなすき間に、小さな石がびっしりと詰まっているからこそ丈夫な石垣ができるんだということです。石垣は小さな石の支えがあってこそ、大きな石が目立つような 気がしました。大は大なりに、小は小なりにいろいろな生き方があるような気がする。
 戦国の世、百姓上がりの秀吉は、他の武将達が目の届かない下々のことまでよくわかっていた。足軽達の生き方がしっかりしていると、その上の大将が光ってくる。秀吉はそういう下からはい上がってきたからこそ、人の心の痛みがわかり、やがて天下を取るまでになったと思う。
 今の不況の世の中、小の支えがあるからこそ、大が生きる。部下が一所懸命支えるからこそ、上司が光る。大きな仕事も大事だが、小さな仕事こそ大事にしながら、こなしていくことによって、大きな仕事につながるような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】