戦国新報
 
 
平成14年 後期
【 H14.12.8
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ことわざ「おごる平家は久しからず」
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 「勝てば官軍」ということわざがあるが、勝ったほうが正しいということになる。だがいくら「勝てば官軍」といっても時と場合による。
 人生勝つことはもちろん大事だが、人は勝つことに慣れてくると誰でも心に「おごり」が生じると先週も書きました。「おごり」から「油断」が生じ、気がつけば取り返しのつかないことになってしまうような気がする。負けるよりは勝った方がいいに決まってるが、時と場合によっては負けることで学ぶことも必要な気がする。
 戦国の世、先週も書きましたが、武田信玄は、「戦の勝ちは五分を持って上とする。七分を持って中とする。十分を持って下とする」と言っている。五分は励みを生じ、七分はなまけ心が生じ、十分はおごりが生じるということである。戦は、わずかに敵より優れた所があってこそ、将兵は油断することなく次の戦に備えて武芸をみがく。七分は相手に勝てるという自信がつき、武芸に身が入らなくなる。十分は我に敵なしというおごりから油断してしまうというのである。
 「おごる平家は久しからず」ということわざがあるが、スポーツの世界でも、敵を知り味方を知り、勝ったり負けたりして反省をし、そして学び、本番で勝つことに標準を合わせて調整することが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】