戦国新報
 
 
平成13年 前期
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小は大を制する
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 大きな穴から漏れる水は誰でもすぐに気付いて修復するが、小さな穴から漏れている水はたいしたことはないと見逃してしまう。しかし漏れ続ける小さな水はやがて重大な結果につながる恐れがある。仕事も会社のことも同じであるような気がする。
 戦国の世、信長は部下達の城の石垣を作るやり方を見て注意した。部下達はどこがおかしいのかと聞いたところ、信長は「小さな隙間ほど大事に埋めるように積んでいかないと、隙間に雨水が入りやがて隙間が広がり、敵が攻め込んで来た時、その隙間に足が入り登りやすくなってしまう。また、どんな小さな物事でも大事に考えなければならない。戦いでも敵が少数だと甘く見ると、とんでもないしっぺ返しがあり大敗することもあるのだ」と言った。
 その後、信長は今川勢と桶狭間の戦いでで四万の大軍に三千の少数で挑み勝利した。信長の考えていた通りに小が大を制したのである。 不況の世の中、大口顧客も大事だが小口顧客がもっと大事なような気がする。千円のお客様も大事だが、毎日来てくれる百円のお客様こそ、もっと大事なような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】