戦国新報
 
 
平成12年 前期
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迷うな決断
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 決断力とは、イエスかノーか右か左か、GOかSTOPか、一瞬の判断で決まるような気がする。どちらを選ぶか迷うが、今までの情報に基づいて的確な分析から判断しなければならない。一流のリーダーと一流のボスとでは決断力の幅が違うかもしれないが……。
 戦国の世、秀吉が中国地方で毛利方、高松城を包囲中、主君信長が本能寺で光秀の謀反で倒されたという悲報が入った。一瞬悲観にくれた秀吉でだったが、すぐに気を取り直し即決した。
 神業と言われた「中国大返し」である。主君の仇討ちという目的で自分の立場を有利にすることにも「抜け目」がなかった。二万五千の大軍を短期間に移動させることに成功し「決断力」と「機動力」で光秀を山崎の合戦で打ち破り、天下取りの足がかりを固めた。もし決断に迷っていては、秀吉の天下はなかったと思う。
 遅れた戦いに勝利はないというが、不況の世の中、秀吉のように常に先手を心がけ、営業マンも即決断を心がけた方が良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】