戦国新報
 
 
平成11年 後期
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真の友
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 友人というものは本当にありがたいものだ。毎日のように顔を合わせていろんな話をするが、まあよくも話がつきないものである。お互い多くの友人と出会い、いろいろな「情報」を交換し、さらに別の友人と「情報」を交換する。だから話がつきないのである。また、友人だからこそ人生を歩く上での「知恵」や「勇気」を教えてくれる。そんな友人のありがたさは身にしみる。
 戦国の世、秀吉は人生を歩む上での「宝」は真の友であるという。柴田勝家との賎ケ岳の合戦の話である。勝家の片腕の前田利家は、秀吉の昔からの「真の友」であった。それゆえ秀吉も利家も敵として戦うことはできなかった。利家は苦悩の決断で中立を守った。秀吉の勝利は結果的に利家の中立によるところが大きい。もし利家が参戦していたなら秀吉の天下取りはなかったのではないだろうか。秀吉は「この戦は真の友である利家のおかげだ」と部下達にも伝え、天下を取った後、利家に加賀百万石を与えたのである。
 今の世も「情報」がなければ仕事も取れない。「情報」を与えてくれる「真の友」を得るために。自分も相手から信頼される努力をしなければならない。友から得た情報こそ成功へのキーポイントとなるような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】