戦国新報
 
 
平成11年 後期
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強い団結心が「城」であった
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 団体スポーツでは、個人の技がどんなにすぐれていても、心をひとつにした強い「団結心」がなければ勝ち抜くことはできない。会社組織においても社員が「団結心」を持ってひとつの目標に向かって、共に力を合わせて努力することにより、大きな目標に到達できるような気がする。また不可能と思えるような仕事でも成し遂げられるような気がする。
 戦国の世、ちょっと「すき」を見せると隣国から攻められるため、各大名は必ず兵を常駐させる「城」「出城」「砦」を作った。ところが武田信玄だけは城を造らなかった。城を造る莫大な費用を全部、用水路の整備、河川の堤防、植林の奨励のために投入し、領民の生活を他国より豊かになるようにした。
 「人は堀、人は石垣、人は城」という信玄の言葉のように、部下達、領民の「団結心」が他国よりも勝っていたために城を造る必要がなかったし、「団結心」が国を守る城でもあったということになる。
 不況の世の中、信玄の「甲州軍団」のように「団結心」を持ってがんばることによって、良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】