戦国新報
 
 
平成8年 後期
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職場こそ知識と知恵の宝庫
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 能力を身につけるには学校しかないが、学ぶ所は学校だけではない。社会人になれば職場こそ実践的な知識や知恵の宝庫である。また、学ぶ気があれば、よりきびしい職場の方が能力をつけるには最も良い学校である。
 秀吉も若いころ実力本位の一匹狼の仲間に所属していた。蜂須賀小六率いる川並衆という野武士集団である。ここは秀吉にとって絶好の学ぶ場所であり、まさに野武士学校であった。ここでかなりの事を学んだ。戦いのかけひき、目的達成のための計画、巧妙な自己PRの仕方等。実践的な野武士のやり方を秀吉は命懸けで学んだようだ。
 この時の経験が信長に仕えてから見事に活かされた。
 職場は自分の生活のためでもあるが、自分の能力を向上させるにも最高の学校である。仕事に仕事を教えられ、ヤル気をもって人と人とのつながりを大事にしながら、一生懸命にがんばることによって、かなりの能力が身に付くのではないだろうか。だがなかなかむずかしい。
【文:高田 金道】