戦国新報
 
 
平成5年 前期
もどる
運を逃がさなかった豊臣秀吉
織田信長死す
すすむ
 目の前に「天下」がぶらさがった。が、秀吉は主君を失って茫然自失の表情だった。それを見た黒田如水が、「殿、言いにくいことではございますが、殿は信長公を失って御悲嘆のご様子。しかし内心では誠にめでたいとお考えのはず。花の盛りは時が至らねば見られぬもの。今が花盛り、光秀との戰いは花見初めとでもいうべきでしょうか」こう言って秀吉の膝をトントンと叩くと、秀吉は怒るどころか、ニコッと笑ったという。
【文:高田 金道】