戦国新報
 
 
平成5年 前期
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人の心は、空の天気のようなもの
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 豊臣秀吉に可愛がられた大名、加藤清正は、石田三成とはまったく意見が合わなかった。そのため関ケ原の戦いでは徳川家康に味方した。 戦いに勝った後、各大名の前で家康が、「こういうことを雨降って地固まるというのだ」と言った。しかし加藤清正だけは、「人の心は空の天気と同じです。いつまた雨が降りだすかわからないものです」と言った。
 じっと清正をみつめて家康は「加藤のいうとおりだ」とうなずいたという。
 これから後もどんな裏切り者が現れるかもしれないということを、清正は言いたかったのである。家康は「まったくそのとおりだ」と感じ、同時にその謀反人の有力な候補者は、加藤清正本人がなるのではないかと疑ったのである。
【文:高田 金道】