戦国新報
 
 
平成4年 後期
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旗は目印、一族団結のシンボル
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 私達が現在街を歩いているとき否応なしに目に飛び込んでくるものの中に、旗やのぼりの類の多いことにお気付きでしょうか。住宅の展示場しかり、交通安全や商店の売出しなど、様々な処に旗を見ることができます。そしてこれらは、人々の目に映ることにより、規律が保たれたり、商売の要として存在するなど、現代社会においてディスプレイのワンポイントとして大きな役割りを担っています。
 その昔、旗は、一族郎党が団結して外敵と戦う際に敵と味方をはっきり識別する目印として考案されました。図柄はごく単純なものだったがしだいに一族の名誉を表わすデザインとなり、美しく洗練されたものになりました。ほぼ完成の域に達したのは戦国時代でした。
 戦国時代は戦陣で手柄をたてることが武士の出世方法でした。論功行賞につながるとあって各自が趣好をこらした個人旗が戦場を駆けめぐりました。そして一族の団結のシンボルとして確立されました。
 私達が何気なく毎日目にしている旗も戦国時代をルーツに、様々にその形を変え現在に至っています。そして旗の役割りの重要性を確固たるものとして世にしらしめたのは、他ならぬ織田信長でした。
【文:高田 金道】