戦国新報
 
 
平成4年 後期
もどる
家康は都市計画にも優れていた
すすむ
 今日の東京で最も美しい場所といえば、それは皇居のお濠と、濠に囲まれた皇居の森である。もしも東京に皇居のこの美しい景観がなかったら、鉄とコンクリートの巨大な機械的な都市でしかない。 そしてこの皇居の濠と森は家康らが造った徳川時代の「遺跡」で、明治・大正・昭和の歴史の変貌のなかで日本人はこれ以上の美しい景観も、またこれ以上にスケールの大きい空間も造っていない。 家康は信長・秀吉に劣らない都市計画の大家であり、また築城の美学の持ち主でもあった。
【文:高田 金道】