戦国新報
 
 

平成27年 前期
【 H27.1.4】

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お互いの話し合い

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 上司の考えも聞かず、自分の考えで物事を力ずくで押し通そうとする人はいつか必ず足元をすくわれるという人もいる。

 戦国の世、毛利方と中国地方で戦の最中に、本能寺で信長が光秀に倒された悲報を聞いた秀吉は、軍師官兵衛に相談した。官兵衛はそれに応え、時の状況の「ぶっこみ」の話し合いで上手に毛利方と和解した。そして電光石火のごとく「中国大返し」という早業で、山崎にて光秀を打ち破った。毛利方との外交的和解は有能な官兵衛の「ぶっこみ」の戦略から生まれた結果であった。敵を力ずくで押し破るよりうまく和解し「敵と戦わない」で勝利することを常に考えた官兵衛であった。

 いつの世もどんな有利な状況にも、不利な面もあるし、不利な状況にも必ず有利な局面は見出せるような気がする。常に物事を両面から見る事が大事だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十七年一月四日)

【文:高田 金道】