戦国新報
 
 

平成26年 後期
【 H26.7.27】

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信頼すれば信頼される

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 上司は「ヤル気」のある部下なら、信頼してまかせればまかせるほど部下も成長するし上司も伸びるという人もいる。

 戦国の世、秀吉に天下を取らせた部下の官兵衛。秀吉軍、中国地方で毛利攻めの最中、本能寺の変を知る。光秀の謀反によって倒された上司信長。そこで官兵衛はすぐに毛利方と和睦をして、秀吉軍の全将兵の前で「我が殿が信長様の仇として光秀を倒して天下人になれば、武将達は大名になり、足軽達は武将に昇格するから頑張ってくれ」と涙を流して頭を下げた。そして京まで二百キロの距離をわずか八日ほどで全軍移動させた。誰も予想しなかったあまりの早さに光秀軍は戸惑い、山崎の合戦は、秀吉軍の勝利となった。世に言う「中国大返し」という早業の勝利であった。部下を信頼した秀吉も立派であったが、信頼され秀吉の期待に応えた官兵衛も立派であった。

 いつの世も、上司に信頼されたら部下もその期待に応えることでお互いに絆が深まると思うが、なかなかむずかしい。(平成二十六年七月二十七日)



【文:高田 金道】