戦国新報
 
 

平成25年 前期
【 H25.5.12

もどる

苦肉の決断

すすむ

 決断にはやりなおしはない。もし決断を迫られた時、それを決行する決断ができるかできないかは、その人に勇気があるかないか…。

 戦国の世、足利将軍一門の名族で、資本力と強大な軍事力があった今川義元。京に上洛する途中、四万の大軍で尾張織田家の領内に侵入してきた。この時十八歳の信長。絶体絶命のピンチに追いつめられた。まともに戦っては勝ち目はない。若い信長は、どうせ死ぬならと捨て身の一発勝負で、桶狭間で昼食休憩中の義元一人をめがけて奇襲攻撃をかけ、ついには義元を討ち取った。この一戦は、信長の勇気と決断力が、1パーセントの可能性にかけた苦肉の決断であった。

 いつの世も、あきらめてはダメだ。決断力と勇気を持ってがんばることで良い運を引き込むことができると思うが、なかなかむずかしい。(平成二十五年五月十二日)

【文:高田 金道】