戦国新報
 
 

平成24年 後期
【 H24.8.26】

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逆転の知恵

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 上司は部下にいつも新しい知恵を求めている。

 戦国の世、急速に成長した信長。ワンマンで一見不可能と思える戦略を打ち出すことがある。その時、部下達に何か良い知恵がないか求める。その期待に見事に応えたのが秀吉である。一番良い例が「美濃侵攻プロジェクト」である。思うように進まないこの戦略会議で、各武将達に発表しても誰もやろうとする武将がいなかった。皆不可能だと沈黙する中、会議の末席に座っていた足軽頭の秀吉が「自分にまかせてください」と信長に進言した。そして今で言う「プレハブ工法」のやり方でわずか数日で砦を完成させた。世に言う「墨俣一夜城」である。この成功で信長からの秀吉に対する信頼、評価が決定的になり出世街道を走り抜けた。

 いつの世も、食事をしながらも、何か良い知恵がないか、良いチャンスに出会えないか、常に求め続けるのが大事だと思うが、なかなかむずかしい。(平成二十四年八月二十六日)


【文:高田 金道】