戦国新報
 
 

平成23年 前期
【 H23.6.5】

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蜂の巣

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 組織で生きる人に大切なことは「調和」であるという。「調和」はそれぞれ自分の役割分担をうまくこなすことで組織もうまく動いていくような気がする。
  戦国の世、徳川二百七十年の基礎を築いた家康が、部下の前で、組織を「蜂の巣」にたとえて言った。蜂は一匹一匹が役割を持って巣全体の利益のために貢献している。女王蜂はひたすら卵を産み、働き蜂はひたすら働く。遊んでいるように見える蜂も、それぞれが役割を持っている。「役立たず」の蜂は一匹もいない。
  巣が熊に襲われたり「蜜」を人間に取られたりして打撃を受けても、みんなで助け合ってがんばり、すぐに修復して元に戻す。暑い季節には巣の温度が上がれば、羽で風を起こして温度を下げて調節する。
  我が徳川家も蜂の巣と多くの類似点があったからこそ天下を取れたと言った。
  いつの世も、いざという時、組織の「調和」を忘れてはならない。権利だけ主張して義務を忘れては組織の機能がうまく働かないと思うがなかなかむずかしい。

 

 

【文:高田 金道】