戦国新報
 
 

平成23年 後期
【 H23.10.9】

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営業マンは情報マン

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 「役立つ営業」の原型は「越中富山の薬売り」だという人もいる。
  富山の薬売りは、全国またにかけお客様に好かれながら、家庭に常備薬をまとめて預け、次に回ってきた時に使った分の代金を回収し、さらに薬を補充し、古くなった薬は新しい物に取替えていうというシステムである。
  また薬だけではなく全国的に回り歩くからいろいろな地方、都会の情報も配達して歩くために、富山の営業マンは情報通とも言われる。
  時は江戸時代。参勤交代で大名達が江戸城の大広間に集まった時の話である。三春藩主、秋田輝季(てるすえ)が激しい腹痛で苦しんでいた。その時、富山藩主、前田正甫(まさとし)が自分の印籠から薬を取り出しすぐに飲ませたところ、みるみるうちに治り「あれほどの激痛が治るとは」と輝季はもとより各藩の大名達も驚き、ぜひとも我藩にもその薬を売り広めてくれないかと注文が殺到したという。これが越中富山の薬売りの始まりである。
  いつの世も、信用を信用で返す心がけが大事だと思うし、人と人との信頼が大きな営業につながると思うがなかなかむずかしい。


【文:高田 金道】