戦国新報
 
 
平成20年 前期
【 H207.6】
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黙って耐える
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   他人から非難された時、あなたならどうするか…。非難されたら逆に非難してやるか。でも非難することで、また三倍非難されるという人もいる。それともなぜ非難されるのかをよく考え、黙って怒らずに耐えられるか…。
戦国の世、秀吉が天下を取った時、部下の堀秀政を越前北の庄城主に任命した。経験豊富な大名も新天地で領民をまとめるということは大変である。そんな時、領民の一人が秀政のやり方を非難した。すると家臣達は犯人を捜して厳罰にしようと秀政に言った。しかし秀政は黙って目をつむり、実にありがたいことだ。国主や城主という立場になってしまうとわしの悪いところを指摘して注意してくれる者はいなくなるものだ。まさに「天の声」である。と言って家臣達全員を集めてなぜ非難されたのかを追求し、どう改善すれば良いかを話し合った。そして領民に誠心誠意尽くして問題の解決に当たった。その後の秀政は領民に「名君」と親しまれた。いつの世も、非難されても怒らずに良いチャンスだと受けとめ改善に努めることによって、良い結果が生まれてくるような気がするがなかなかむずかしい。

【文:高田 金道】