戦国新報
 
 
平成20年 前期
【 H20.5.4】
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ノンキャリア組の抜擢
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キャリア組とノンキャリア組とで「いざこざ」が生じる場合がよくあると思う。現場を一度も体験せず試験だけで昇進する人。現場体験で昇進する人、いろいろな人がいるが…。
戦国の世、織田家にも、柴田勝家、丹羽長秀、佐久間信盛といった譜代の家臣がいた。ようするにキャリア組である。ところが信長は一方で別の人事も行っていた。ノンキャリアで情報に通じている人材の一番いい例が秀吉である。農民出身で雑用係として採用され、努力のかいあってやがては一国一城の主となった。また、明智光秀も秀吉と似ている。光秀は一応武士出身で各地を放浪した後、情報通ということで信長に認められ、秀吉より先に一国一城の主となった。織田家の一国一城の主の第一号が光秀であり、第二号が秀吉である。この二人は、信長の亡き後、天下取りの争いを起こす事になるのだが…。
いつの世も、過去の経歴は経歴として、上司から与えられた仕事に対して一所懸命に努力して期待に応えてこそ、仕事をまかされるものだと思うのだが…。

【文:高田 金道】