戦国新報
 
 
平成20年 前期
【 H20.5.11】
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将来の先見性
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 駿河の国主、今川義元は今でいう「老舗」の大企業の社長である。その義元に、秀吉は一時就職していた時期があった。だがトップ義元の考え方や人の使い方に問題があった。格式とか家柄とか身分とかを重要視して、能力のない人間を優遇しているという、トップとしての資質のなさを見抜いた秀吉は、将来性のない今川家をすぐに退職したのである。
その後、秀吉は地方の弱小勢力、中小企業の織田信長に再就職した。気性は荒いが決断力が速く、戦は情報力だと言う事に気づき急速に成長してきていた。そして義元と違い、家柄とか身分にこだわらない能力主義で人材登用していた。この数年後に義元は天下取りを目指して京に登る途中、桶狭間で信長の情報力の戦に敗れた。その後、尾張の中小企業織田家は日本最大の大企業にまでのし上がった。秀吉も能力を認められ、織田家第二の大名にまで抜擢されたのである。

いつの世も、先見性を持って努力してがんばることで、自分の将来も良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】