戦国新報
 
 

平成19年 後期
【 H19.9
.2】

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人材育成こそ
すすむ

 先週も書きましたが、戦国大名は自分の国を守るため、あるいは国の象徴を表すため、領民から税金を取り立て、膨大な資金を投入して大きな「城」を造った。領民も苦しいが国のためと納得して協力したのである。
 信長は安土城、秀吉は大阪城、家康は江戸城、他にも各大名の名のある立派な「城」がたくさんある。しかし戦国大名の中でただひとり「城」を造らなかった武田信玄。造ろうと思えば簡単にできたのだが、領民が苦しむことを考えれば、「城」を造る事はできないと考え、戦に大切なのは「城」ではなく「人」であると明言した。そうして人材育成に力を注ぎ、信玄の「城」無用論は「人は城、人は石垣、人は掘り、情けは味方、仇は敵なり」という有名な言葉を表した。
 今の世も、パソコンや設備投資も必要だが、それを動かす「人」はもっと大切だし、人材を育成することによって社会の発展につながるような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】