戦国新報
 
 
平成19年 後期
【 H19.12.30】
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さわやかな響き
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 世の中にはいろんな人がいて、ライバルが苦しんでいるときに温かい手を差しのべる人もいれば、逆に弱みにつけ込む人もいる。
 戦国の世、信玄と謙信は障害のライバルであった。川中島では五回もの合戦を繰り返している。その信玄が東海地方へ進出を始めたとき、恐れた今川家と北条家が連携して、甲斐の国への塩の輸送を全面的に禁止してしまった。塩は「生命の糧」である。海に面していない甲斐の国が塩を経たれるということは死活問題であった。このことを聞いた謙信は信玄に対して、戦は戦であり領民が困っているときにはお互い様だと、自国の塩を甲斐の国に大量に運ばせたのである。「敵に塩を送る」とは何とさわやかな言葉だろうか。信玄は涙を流して感動し、その後謙信との争いはなくなった。
 いつの世も、真のライバルとはお互いを高めあうことが大事だ。それが会社の躍進にもつながるような気がするが、なかなかむずかしい。
 今年一年、戦国新報をご愛読くださいましてありがとうございました。来年もいっそう知恵を働かせて頑張りますので、よろしくお願いいたします。

【文:高田 金道】