戦国新報
 
 
平成18年 後期
【 H18.7.23】
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社会人になって必ず役に立つ涙
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 甲子園予選も真っ盛り。毎日死に物狂いで練習に耐えた各チーム。勝利を得たチームはうれし涙を流し厳しかった過去の練習は一瞬のうちに忘れてしまう。負けたチームは悔し涙を流して思い出を残す。その涙が社会人となり競争社会の中で、厳しい練習に耐えたことや礼儀の正しさは必ず役に立つと思う。
 戦国の世、関ヶ原の合戦で、優勢であった西軍は裏切りが出てまたたく間に敗走してしまった。戦場に残った西軍の武将、島津義弘は「全軍一丸となって敵中を突破すべし。これは敗走ではない。正々堂々と敵の正面から敵陣を切り抜けて撤退しよう」と部下達にゲキを飛ばした。そして悔し涙を流しながら火のついた矢のように東軍の総大将家康の本陣を疾風のように駆け抜けた。さすがの家康も敵中突破の島津隊に恐れをなしたという。
 いつの世も、勝者であってもいつ敗者になるかわからない。同じ負け方でも敵に手ごわい相手だと恐れられる負け方をすることが大事だと思う。そのためには何事も死に物狂いでがんばることが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】