戦国新報
 
 
平成18年 後期
【 H18.7.2】
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発想と知恵と期待
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 トップは社員に対していつも新しい「知恵」を求めているし、努力している人には新しいビジネスチャンスがあると思う。
 戦国の世、信長は常に新しい知恵を部下達に求め期待した。その期待に見事に応えたのが足軽の藤吉郎であった。その第一の仕事は美濃攻略の時である。敵の目の前にある墨俣という場所に砦を築くという戦略を、信長は会議の中で発した。しかし誰もやる者がいない。各武将達は誰もが不可能な事だと沈黙する中、藤吉郎だけは賛成した。足軽の藤吉郎が賛成するのだから回りの武将達はやるしかなかった。だがことごとく失敗に終わり信はイライラするのであった。四回目に藤吉郎が「わしなら一日で造って見せる」と信長に進言した。そしてその言葉通り画期的なアイデアで誰もが不可能だと思った砦を見事に完成することができた。世に言う「墨俣一夜城」である。藤郎の成功のカギは今で言うプレハブ工法で造り上げたスピードにあった。信長の藤吉郎への評価が決定的になり信頼を得て、出世の道が広がった。
 いつの世も失敗を恐れない思い切った発想も大事だ。一発逆転の知恵を出すことこそ男の証明だと思うのだが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】