戦国新報
 
 
平成18年 前期
【 H18.4.2】
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早起き
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 「早起きは三文の徳」ということわざもあるが、物を仕入れる時、朝早く市場に行って仕入れる人と、遅く仕入れる人ではかなりの違いがある。「朝商いは福を呼ぶ」というように、朝早く仕入れることは他人よりも良い品をより安く仕入れることができると思う。
 戦国の世、早起きで有名だったのは信長である。いつ敵に攻め込まれるかわからない世の中、のんびり朝寝するようでは戦国大名はつとまらないと言う。信長は毎日、朝四時には起床。馬で自分の領地の隅々まで駆け回り領民の生活状況を見て回った。その家来、秀吉は信長よりも早く朝三時には起床した。自分のふところで信長の草履を暖めたという話は、朝四時頃の出来事で、秀吉の出世の道を開いた有名なエピソードである。
 いつの世も、いつまでも布団の中でなまけている者は儲けを失うという人もいる。「早起きしたからといって大したことはない」というのは朝に弱い人の負け惜しみの言葉である。「朝寝は八石の損」という人もいるが、やはり朝早く起きて働けば必ず良いことがあると思う。早起きして仕事の段取りをすることが、一日の要だと思うが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】