戦国新報
 
 
平成17年 後期
【 H17.8.7】
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油断が命取り
すすむ

 順調に物事が進んでいる時、ちょっとの油断が命取りになる場合がある。スポーツの世界でも圧倒的に優勢であっても、油断とうぬぼれから相手に勢いをつけさせ、負ける場合もある。
 戦国の世、十八歳で家督を継ぎ国力の増強を目指し、巨大な勢力を築いた駿河の今川義元。
 やがて二万五千の大軍で京を目指し尾張領に入った。しかし桶狭間で休憩しているちょっとの油断から、信長の二千五百の兵に奇襲攻撃をかけられ、信じられない無残な敗北をした。
 信長にとって、義元が自分の国に迫ってきた時、死ぬか生きるか絶体絶命のピンチであった。どう乗り切るか二十七歳の信長。だが信長は一点集中で力を尽くせば必ず勝つ道が開けると信じていた。目指すは義元一人に標準を決めて、奇襲攻撃をかけ義元の首を取ることができた。圧倒的に優勢であった義元も、ちょっとの油断とうぬぼれが命取りになった。
 いつの世も、油断とうぬぼれほど怖いものはない。常に謙虚に誠意を持って、決して油断することなく一所懸命にがんばることが大事なような気がするが、なかなかむずかしい

【文:高田 金道】