戦国新報
 
 
平成17年 後期
【 H17.11.6】
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親友、真友、信友
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 人生において何でも話し合える「親友」を持つことによって、自分の人生も違ってくるし、人生の楽しさも多いに違ってくると思う。
 「親友」は親しい友ということだが、ただ、仲が良いというのでは本当の「親友」ではないと思う。「親友」は「真友」であり「信友」でなければならないという人もいる。
 戦国の世、加賀百万石の祖、前田利家は秀吉と同じく信長の部下であった。利家は武家出身のエリートであり、秀吉は農民出身の草履取りからのスタートであった。ある日、利家は、ちょっとしたいざこざから同僚を切り捨てたために、信長の怒りに触れ、エリートから一転、不遇の身となった。
 この時、利家は誰が本当の「親友」であるかがよくわかった。今まで親しかった同僚達はまったく顔を見せなくなった。ところが秀吉だけは毎日のように顔を見せて心配してくれた。利家にとって秀吉は本当の「親友」であり「真友」であった。そして利家は秀吉の天下取りに「親友」として協力をした。
 いつの世も、「親友」を持つことは何よりの財産ではないだろうか。しかし「親友」だからといってお互い甘えてはならない。甘えばかりの「親友」は長続きがしないと思う。相手の立場をよく考え思いやりをもって付き合うことが本当の「親友」だと思うのだがなかなかむずかしい。

【文:高田 金道】