戦国新報
 
 
平成17年 後期
【 H17.10.23】
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付加価値と気配り
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 人はやれと言われた仕事は誰でもやる。だが、言われた仕事だけではなく、それに付加価値をつけてお客様の期待に応えてやる人は「気配り」のできる人であり、上司からも信頼されるし、仕事も多く頼まれると思う。やれと言われた仕事だけで終わる人は「小間使い」のようで今も昔も周りについていけないような気がする。
 戦国の世、農民出身の秀吉は、信長に仕え、ちょっとしたことで出世街道をまい進して大名にまでなった。その原因は秀吉の最初の仕事「草履取り」にあった。草履取りは誰にでもできる小間使いの仕事だ。ある寒い朝、秀吉は信長に草履を差し出した。それが暖かいため信長は「貴様主人の草履に座っていたな」と怒り狂った。その時秀吉はうろたえることなく「草履が冷たいから自分のふところに入れて暖めておきました」と泥のついた自分の胸をさらけ出した。信長は機嫌を直し「なかなか気配りのできる奴じゃ」と感心した。
 以後、秀吉は信長の信頼を得てどんどん出世していった。
 今の世も、気配りのある上司と気配りのできる部下との組み合わせが一番うまくいくような気がする。仕事を与えられたら感謝の心を忘れることなく、それに付加価値をつけて気配りを忘れないことが、自分のためにもなるし、味方も増えてくるような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】