戦国新報
 
 
平成16年 後期
【 H16.8.22】
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粘り強く
すすむ

 杉の木は真っすぐ空に伸びて美しい。しかし台風がきて風が強くなると杉はもろく折れやすい。その点「竹」は強風にさらされても、幹が折れることはない。また、大雪で枝に雪が積もり、頭を地面につけても「粘り強く」折れることはない。雪が溶けて春になれば、何事もなかったかのように空に向かって頭を伸ばす。その「しなやかさ」「粘り強さ」はひとつひとつの節にあると思う。竹の節は、自分の役割を分担してその責任をはたしているから強いように思う。
 戦国の世、政情不安のため、生まれてくる自分の子供に「竹」の節のように粘り強く育ってほしいと「竹千代」と名前をつけたのが松平広忠であり、竹千代は後の徳川家康である。家康も父親の期待に応えて、竹の節のように十四年間の人質生活に耐え「粘り強く」生き、信長、秀吉の生き方を学び、天下を取ったのは六十二歳の時であった。
 いつの世も、何事にも耐えるということは大事だ。竹の節のように「粘り強く」じっと耐え続け、自分の役割に対してきっちりと責任を持って仕事をすることによって、お客さまのためにもなり、自分のためにもなり自信もつくと思う。甲子園野球大会も竹のように粘り強いチームが勝ち進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】