戦国新報
 
 
平成16年 後期
【 H16.10.3】
もどる
油断禁物いつも真剣に
すすむ

 何事にも自信がある人は、時にちょっと「油断」することがある。「油断」すると、せっかくいい仕事ができる人なのに、あっけなく失敗する。童話にもあるように、足の速い「うさぎ」が、のろい「亀」に負ける話である。うさぎの余裕から出た「油断」である。
 油断大敵火がぼうぼうということわざがあるように、「油断」は禁物だ。いつも真剣に…。
 戦国の世、今川義元、二万五千の大軍を率いて天下を取るために京都に向かう。だが途中で「余裕」と「おごり」と「油断」から、桶狭間にて二千五百の信長に、奇襲攻撃をかけられ、あっけなく破れた。信長を大した敵ではないと軽く見ていた義元の「油断」から生まれた敗北であった。
 義元を破り自信がついた信長もまた、天下取りあと一歩のところで、信頼していた部下の明智光秀によって、本能寺で討たれた。天才信長の「おごり」と「油断」から出た結果であった。
 いつの世も、「おごり」と「油断」は禁物だ。「油断」は自分の首をしめるような気がする。いつも真剣にがんばらなければ…。だが現実はなかなかむずかしい。

【文:高田 金道】