戦国新報
 
 
平成15年 後期
【 H15.8.10
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謙虚な心がけ
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 人は自信がつきすぎると誤った考え方でも信じるし、うぬぼれてしまうような気がする。また、自信があったとしても、謙虚でまだまだいたらぬ自分だと自覚し、少しぐらいの成功でもうぬぼれることもなく、さらに学ぼうとする心がけを失うことがなければ、その人はますます成長していくような気がする。  戦国の世、秀吉、天下を目の前にして、家康と信長の次男、織田信雄の連合軍と、小牧・長久手の戦いが始まる。この時、秀吉は戦いに勝つ自信があったがお互い多くの犠牲者でる可能性があるために、単身信雄の陣に出向き、涙ながらに和睦を求めた。この秀吉の謙虚な姿勢にホロリときた信雄は家康に無断で講和をしてしまった。家康は戦闘能力を失い退却せざるをえなかった。「稔ほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあるが、秀吉は戦に勝つ自信があったが、プライドを捨て威張らず謙虚な姿勢で相手に頭を下げた結果が、天下取りにつながったようだ。いつの世も、威張らず、謙虚に、常に多くの人から知恵を借り、学ぼうとする心がけや努力があれば、必ず、良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】