戦国新報
 
 
平成15年 前期
【 H15.6.29】
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釣りの要領も商売に似ている・・・
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 釣りシーズン到来である。だが私にとっては、いつ釣れるかわからない竿を黙って見ているということが考えられない。釣りが好きな人にとっては「場所を選び」「道具を吟味し」「餌を選ぶ」この三つのどれが欠けても釣りはできないという。私は釣りはできませんが、努力と工夫と辛抱を重ねてこそ釣果は上がるし、楽しみもでるし、釣りの腕前が上がるのだと思う。戦国の世、気性の激しい信長に仕えた秀吉は、回りの武将から「いなか者め、百姓あがりのくせに」とバカにされた。普通の人間であれば、すぐにやめてしまうところだが、秀吉はバカにした人を恨むことなく、よく辛抱した。「いつか必ず見返してやる」と、他の武将達ができなかった仕事を、自分から進んでやり遂げた。清洲城の石垣を一日で修復したり、赤字の炭奉行を黒字にしたり、墨俣に一夜城を作ったりと、努力と工夫と辛抱と情報力でさまざまな仕事を成し遂げた。ついにはバカにした武将達を差し置いて、大名にまで出世したのである。いつの世も何事もあきらめないで、ある時は辛抱し、ある時は反省をし、人とのつながりを大事にしながら努力することによって、良い方向に進むような気がするがなかなかむずかしい。

【文:高田 金道】