戦国新報
 
 
平成15年 前期
【 H15.2.2
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やる気がなければネコもネズミに笑われる
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 昔はよくネコがネズミを口にくわえているのを見かけたものだが、最近は見ることが少ない。あまりにも家庭でネコをかわいがりすぎるのだろうか。それとも住む家の環境が変わってネズミがいなくなったのだろうか。ネコは家の中をくまなく探してネズミを捕らえると思っていたが、最近のネコは、ネズミが目の前に現れてはじめて捕らえるようだ。
 戦国の世、天下を取るための知恵と能力を持っていながら、最初は草履取りからの出発だった秀吉。仕事は与えられるを待つのではなく、自分から進んで仕事を求めた。大名になった時には大名にふさわしい知恵を働かせて自分から進んで仕事を求めた。もし秀吉が最初から英雄気取りで、草履取りなんか自分の仕事でないと思っていたら、天下を取ることはできなかったような気がする。ネコではないけれど、近づいてきたネズミを捕らえることは簡単だ。しかしネコも知恵と工夫でネズミを探す努力をしないとやがては近づくネズミも捕れなくなってしまう。
 仕事もただ待っているということではなく、自分から進んで足を使って、いろんな情報を探そうとする心構えがないと、良い方向には進まないと思うのだが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】