戦国新報
 
 
平成15年 前期
【 H15.1.26
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祈りたくもなる…
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 毎年のことだが、今の時期になると受験生は最後のがんばりに入るようだ。日頃「神」などいるものかと思っている子供たちも、受験が近づくと「神に手を合わせる」心境になるような気がする。また新聞の片隅に書かれている、今日の運勢にも目を向けるようになるようだ。
 戦国の世、今川義元二万五千の大軍で尾張領に攻めてきた。無信仰な信長も「敦盛」の一節を謡いながら舞を振り、終わると同時に馬に乗って城外に走り出した。従う者近習六騎あまり。そしてまっすぐに「熱田神宮」に入り、生まれて始めて戦勝祈願をする。そのうちに織田の軍兵が次々と到着して総勢三千騎ほどにふくれあがり桶狭間に向かった。勝敗を決めたのは信長の勝ちを祈った「運」なのか、それとも義元の「おごり」だったのか、いずれにせよ熱田神宮の戦勝祈願がかなったような気もする。しかしそれ以上に信長自信の情報収集力が義元を破る結果につながったようだ。
 今年は選挙の年、恒例のように「だるま」に戦勝祈願をすると思うが、常日ごろの行いが勝利につながるような気がする。だが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】