戦国新報
 
 
平成15年 後期
【 H15.10.26
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やる気
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 人を使うとき、どうすればうまく動かせるか…あるいは「やる気」にさせられるか、いろいろ悩む。人には時間だけ気にして働く人、仕事のはかどり具合を気にして働く人、いろいろいるが…。
 戦国の世、秀吉が藤吉郎と名乗っていた頃の話である。台風で織田家の清洲城の石垣が崩れた。いつ敵が攻め込んでくるかわからない。早急に復旧しなければならない。だが、工事はなかなか進まなかった。信長は普請奉行を呼び出し、なぜ進まないのか正した。奉行は、働く人間が悪いと弁解したため、信長は「お前が人を動かせないことに原因がある」と言って奉行を更迭した。これを聞いた藤吉郎は「私なら三日で完成してみせます」と信長に進言した。回りの武将達は笑った。藤吉郎は人夫達を集めて、なぜこの工事を早く完成しなければならないのかをよく説明し、仕事の区割りを決め「やる気」を起こさせ、そして酒盛りを開き志気を高めさらに「やる気」を起こさせた。工事は約束通り三日で完成した。世に言う三日普請である。
 いつの世も、与えられた仕事の目的をきちんと把握して、時間を気にせず、責任と勇気を持って一所懸命がんばることで、組織のやる気が盛り上がり良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。

【文:高田 金道】