戦国新報
 
 
平成15年 前期
【 H15.1.5
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すぐれたアイデアマンであったが…
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 スポーツの世界でも「どうしたら相手に勝てるか」また、お客様にどうしたらよろこんでもらえるか、常に工夫しなければならない。そういう思いを頭の片隅に置いておくことで、突然ふとアイデアが浮かんでくる時がある。
 戦国の世、どうしたら戦いに勝てるか、どうしたら単体では役に立たない鉄砲を集団で使いこなすことができるのかを、常に考えていた信長は、ある時突然、鉄砲のすさまじい威力を発揮させるアイデアを考えついた。またどうすれば組織を活性化できるかということも常に考えていたようだ。うつけ者と領民からバカにされたが、逆に敵をあざむくための行動であったようだ。また、部下を採用するにあたり、能力のあるものは農民でも採用し、逆に役に立たない部下は平然と切り捨てた。
 そういうアイデアマンであった信長だが、常に業績を上げ続けなければならないというプレッシャーに耐えきれなかった明智光秀によって、本能寺で倒された。人並優れたアイデアの中にひそむ小さな油断が身を滅ぼした。
 今の世もお互い常に自分の仕事に対して、発想を持って工夫してがんばることによって、いいアイデアが生まれてくるような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】