戦国新報
 
 
平成14年 前期
【 H14.5.26
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勇気こそ成長の早道
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 人は何か問題が起きた場合に「時がたてば何とかなる」とか「そのうちに何か良い案が浮かぶだろう」とか・・・。今日できる仕事を明日に延ばしたり面倒な事は先に延ばしてしまう人が多いような気がする。
 戦国の世、今川義元四万の大軍で、桶狭間に攻め込んで来た。その時、信長は討ってでるか、籠城して戦うか、軍議を開いた。家老達は「今川の大軍に立ち向かっては勝ち目はない。三千の兵がいるのだからこの際籠城して時を待とう」と言う。時を待つことによって、思いがけない援軍が来るかもしれないと言うのである。若い信長は家老達の意見を充分聞き、「わしは反対だ。おまえ達は勝手に籠城しろ。同じ死ぬならいさぎよく戦って死ぬ」と言って、馬に乗って城を出た。部下達は殿を一人ではやれないと、全軍一致団結して信長の後を追った。ところが天の助けというか運命というか、その時、激しい嵐が吹き荒れ雷雨が鳴り響き、ふと出た場所が幸いにも今川義元の本陣であった。そして一挙に奇襲攻撃をかけて義元を討ち破った。
 もし「時を待とう」と籠城していれば、信長が世に出るチャンスはなかったと思う。
 いつの世も、遅れた戦いに勝利はないような気がする。常に先手を心がけ、失敗を恐れず勇気を持ってがんばることが大事なような気がするが、なかなかむずかしいことだ。

【文:高田 金道】