戦国新報
 
 
平成14年 前期
【 H14.3.10】
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チャンスをものにする工夫
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「幸運は、七度人を訪れる」ということわざがあるように、人生において人は誰でも幸運の「チャンス」が何回かやってくると思う。この「チャンス」を幸い(さいわい)とばかりに調子に乗りすぎると、せっかくの「チャンス」をものにできたとしても、あまり長くは続かないような気がする。やはりこの「チャンス」も「工夫」をして長く続くようにしなければならないと思う。いつの世も「工夫」することは大事だが、むずかしい…。
 戦国の世、「チャンス」をものにして、天下を取った武将は秀吉だが、豊臣家は秀吉一代で滅びた。原因は「工夫」が足りなかったような気がする。反面、家康は秀吉より「器量」においては数段劣っていたが、「工夫」においては数段勝っていた。この「工夫」によって徳川二百七十年の基礎を築くことができたと思う。古紙一枚も粗末にしなかった家康は、聚楽第を造りぜいたくしてこの世を去った秀吉とは大きな違いがあったようだ。家康は幕府安定のために膨大な資金を残すという「工夫」してこの世を去った。
 不況の世の中、「チャンス」が来たら、すばやく「工夫」をして、「幸運」をとりこにしなければならないと思うのだが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】