戦国新報
 
 
平成14年 前期
【 H14.1.13】
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真面目な中にも心の余裕
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 真面目な性格にもいろいろあるような気がする。几帳面な真面目さ。ちょっと気楽な余裕のある真面目さ。
 戦国の世、真面目さでは誰にも負けない明知光秀、ちょっと気楽な真面目さの秀吉。信長はこの二人に比叡山
延暦寺の焼き討ちを命じた。「火を放ち全てを焼き払い皆殺しにしろ」と言った信長の命令に、その通りに焼き尽くし殺したのが光秀であった。秀吉は、信長様はあんなことを言ったが、実際はそこまでやらなくてもいいじゃないかと思い、ほとんど逃してやった。この時の二人の性格を回りの武将達はよーく見ていた。
 やがて、光秀は信長から近江坂本城の主に抜擢され、信長軍団六万のトップに躍り出た。だが、その後の光秀は、主君信長を裏切り本能寺で謀反を起こす。信長を倒し天下に躍り出ようとしたが、光秀の組下大名達は誰一人として協力しなかった。大半の武将が秀吉側についたのである。比叡山での狂気の焼き討ちを目にしていた大半の武将達は、あの時の光秀の狂気にしり込みをしたのではないだろうか。
 今の世も不況であればあるほど、真面目にこしたことはない。しかし真面目な中にも心の余裕を持てるように性格を変えていかなければならない時代のような気がするのだが、なかなかむずかしいことだ。
 
【文:高田 金道】