戦国新報
 
 
平成13年 前期
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「くさって」なんかいられない
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 仕事をしている時、自分の思い通りにいかないと、すぐに頭に来て「くさって」しまう人がよくいる。だが、よく考えてみると思い通りにいかないということは、その人のやり方にどこか問題があると思う。そこに気づくことができれば「くさって」なんかいられない。
 戦国の世、秀吉は、元々ゼロからのスタート。思えば失うものは何もない。目の前のどんな小さな仕事でも、必ずチャンスとして活かして大きなプラスに変えた。信長から与えられた小さな仕事でも「くさって」なんかいられない。常々前向きに物事を考え、知恵を出して励んだのである。
 自分の利益だけを考え、自分だけ良ければいいという考え方は、他人から見放され大きなしっぺ返しをくらうと秀吉は言う。心が「くさって」いれば、せっかくの良いチャンスも自分をよけて行ってしまうと言うのだ。
 不況の世の中「くさって」なんかいられない。どんな時でも、人のため世のため、マイナス面をプラス思考に変えていく勇気と、知恵を出して、一歩一歩前進していくことによって、必ず良い道が開けてくるような気がするが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】