戦国新報
 
 
平成12年 前期
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ナイナイ男の庶民の星
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 二日酔いの朝、喉元を通る一杯のみそ汁ほどおいしいものはない。特にシジミ貝のみそ汁は昔から肝臓を強くするというたとえもあるように、実においしく、ご飯もおいしい。今日も一日明るく元気に「運を拾う」ためにがんばらなくちゃと思うが… 戦国の世、秀吉ほど「みそ汁」を好んだ男はいない。生まれは貧しい百姓の倅、金が無いのは当然、頼るコネもなければ人脈もない。何にも「ナイナイ男」である。飯も雑穀、そして大根や里芋を山盛りに入れた「みそ汁」である。
 この「みそ汁」こそが、チャンスをものにするために欠かせない分析力や行動力をつける「カルシウム」や「ビタミンB1」を十分に補給してくれたのである。
 貧農の子から身を起こしわずか四十年そこそこで天下人に昇りつめるという「ジャパニーズドリーム」を実現したのだから人気の出ないはずはない。信長や家康が大名というエリートの生まれであるのに対して、秀吉はまさに「庶民の星」である。
 不況の世の中、運を強くするための成分は「大豆」にあり、「みそ汁」にある。秀吉にあやかりますよう「大豆」「きな粉」「納豆」「みそ汁」をよく食べて、物事を常に前向きにとらえ、プラス思考で不況を吹き飛ばしたいものだが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】