戦国新報
 
 
平成12年 前期
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臨機応変の時代
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 最近世の中の流れが予測つかないような気がする。どんどんむずかしい不況の社会になって「臨機応変」の時代になったような気がする。
 剣豪宮本武蔵は相手により「臨機応変」に戦法を変えた。 吉岡一門の長男、清十郎との決闘ではわざと時間に遅れ、木刀をもって勝負に挑んだ。真剣で勝負とみていた清十郎は、度胆を抜かれあっけにとられ倒された。弟の伝七郎の場合は素手で近づいた。伝七郎は刀を構え、いつ武蔵が刀を抜くのかと気を取られているうちに刀を素手で奪われ、その刀で斬り殺された。鎖り釜の宍戸梅軒の時は、武蔵は二刀流に構えた。だが右利きの武蔵は右手に小刀、左手に長刀を持ち、あたかも左利きのような錯覚を起こさせ倒した。
 佐々木小次郎との巌流島の決闘では、小次郎の性格を読みとり、わざと時間に遅れ「イライラ」させた。そして小次郎の物干し竿に対抗するため、船の櫂で長い木刀を作り、油断した小次郎を一撃で倒した。 不況で複雑な時代、武蔵のような「臨機応変」の対応を大いに学びとって、がんばることで良い方向に進むような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】