戦国新報
 
 
平成12年 前期
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朝で決まる…
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 五月も中旬になれば、天気も良く気持ちのいい朝です。寒くもなく暑くもなく、事務所の窓を開けるとすがすがしい風が入ってくる。身の引き締まる思いがします。「今日も笑顔で元気良くがんばるぞ」と自然にファイトが湧いてくる。「おはようございます」朝一番の社員が入ってくる。「朝は発想から」と元気に現場に出かける。忙しい朝の始まりである。だが中には元気なさそうな社員もいる。「おはよう」のあいさつの声は低い。どこか具合でも悪いのか心配である。
 戦国の世、毛利元就は早朝、城を見回り部下の来る前に一日の仕事をしたという。早起きは「三文の得」といい、朝は「朝日を浴びて」その日一日の計を思うのが武士たる者のつとめであるとも言った。「朝日が中天にすっかり昇ってしまうまで寝床にいるようでは、毛利家を守ることはできない。朝に遅れをとってはならない」と部下達に諭した。七十五歳の長寿を保ち心身ともに健全であった元就は「早起き人生」を貫いた。
 不況の世の中、「早起きは三文の得」と心得て、朝の始めにその日一日のことをじっくりと考え「今日の勝負」は早起きから始まることをいつも考えるようにしたい。だが、五月の朝は、眠くてなかなかむずかしい。
【文:高田 金道】