戦国新報
 
 
平成12年 前期
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自分の可能性に挑む…
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 就職先を決める時、誰もが考えるのは「安定性」のある企業を求めると思う。特に今のような不況の時代であればあるほど「安定性」が重要な要素である。だがよく考えてみると他にもっと重要なことがあるような気がする。自分は何をやりたいのか、もっと自分を活かす仕事が他にあるのではないかということを「安定性」より先に考えるべきだはないだろうか。
 戦国の世、信長が木下藤吉郎を登用した時、快く思わない武将が多くいた。そういう者達に対して信長は「常に知恵を出して、やる気をもって仕事に励まなければだめだ。何年努めていようとそんなことは問題ではない。家臣はいかなる機能を果たせるかが問題だ」と常々教えている。信長は藤吉郎のやる気、能力を高く評価し、機能をうまく果たせない人間に対しては評価もきわめて厳しいものだった。信長に三十年も奉公した武将であっても能力がなければ追放された。
 大切なことは、どのような企業であれ、どれだけ長く勤めているかではなく、どれだけ知恵を出して努力しているかということが評価の対象になるのではないだろうか。 甘えることなく自分の可能性に挑み、向上心を持ってがんばることが大事なような気がするがなかなかむずかしい。
【文:高田 金道】