戦国新報
 
 
平成11年 前期
もどる
結果を恐れない決断力
すすむ
 ある私立大学で現役の学生を対象に「二十世紀を代表する日本の首相は?」というアンケートをとったところ、「田中角栄元首相」がダントツのトップだったそうです。年配者には、金権政治とか田中金脈とか闇将軍といったマイナスのイメージが強いが、大学生の政治判断にはなかなかするどいものがある。
 田中角栄元首相は、アメリカには遠慮せず、中国とは国交正常化したり、また、昭和四十五年頃の今のような不況の時代には日本列島改造論で景気の回復をしたりと、その決断力はバツグンであった。政治家の最大の職務は「決断」することではないだろうか。結果の責任を恐れず、「決断」することが、政治の条件のような気がする。
 戦国時代も信長ほど戦のない国造りを目指した決断力のある武将はいなかった。桶狭間の戦いや、誰もが恐れていた比叡山の焼き打ち等、決断力がなければできるものではない。
 不況の今の世も、結果を恐れず思い切って決断を下してがんばることが大事ではないだろうか。だが、なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】