戦国新報
 
 
平成10年 前期
もどる
考える力を持たせた安藤直次
すすむ
 人に物事を教えることはすばらしいことだが… 家康の家臣に安藤直次という武将がいた。家康は自分の息子、紀州藩主頼宣の後見役に直次を選んだ。頼宣をきびしく教育し名君に育て上げた人物である。その直次のところへいろんな人たちが決裁を仰ぎに来る。それに対して直次は「よろしい」とか「いけない」としか言わない。別の案を持ってきてもそれが気に入るまで「いけない」と繰り返すだけだった。家康は不信に思い直次に問いただしたところ、「人に物を教えることは簡単なことですが、私は紀州家のために人を育てようと思っているのです。指示をすれば部下達は、自分で考えず私の意見を聞けばいいと思うように安易になり、上司から言われないと動かないという姿になってしまい、生きた仕事ができなくなってしまいます。大事なことは自分で考え、知恵を出し、発想し頑張ることです。」と答えた。
 不況な世の中テンポの早い時代、つい事を急いで指示をしたがるが、直次のように長い目で人を育てることが大事なような気がするが、なかなかむずかしい。
【文:高田 金道】