戦国新報
 
 
平成10年 後期
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信長もびっくり役にたつ男
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 秀吉という男、なぜ天下を取れたのか?信長のような天才的独創性を持つわけでもないのに…生まれは貧しい百姓のせがれで家柄、教養もなかった。そして槍、刀を振り回して戦うような体力もない。
 その秀吉が信長に仕えて最初の仕事は信長の「草履取り」であった。日本一の「草履取り」を目指してがんばったら、今度は「炭番」に抜てきされ最高の能率を上げる「炭番」になった。そして今度は信長の「馬回り」役に抜てきされ、自分の給料をはたいて「ニンジン」を買って馬に与えたという。そのため嫁さんが逃げていったという」エピソードがある。そこに秀吉の偉大さがあるような気がする。「馬番」になったといって「おれはこんな仕事は嫌だ」と言わず、嫁さんが何と言おうとかまわず、日本一の「馬番」になろうと努力をしたのである。
 つまり秀吉はいかなる環境にあっても知恵を出して一生懸命最善をつくして一日一日を充実させ、それを積み重ねてがんばったのである。
 不況の世の中、不況と思わず明るく笑顔で、与えられた仕事を一つ一つ知恵を出して一生懸命に「努力して」がんばることが大事なような気がするが…なかなかむずかしいことだ。
【文:高田 金道】