戦国新報
 
 
平成10年 後期
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苦労を明るく笑えた秀吉
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 苦労して一生懸命がんばってもなかなか成果が上がらない時がある。そんな時、脚光を浴びている人を見るとうらやましく思えてくる。
 しかしそんな時に人の悪口ばかり言う人間になるか、または明るい顔で苦労してがんばって過ごす人間になるかで、その人間の一生は大きく違っていく。
 苦労の積み重ねをしている時、下積みの時代をステップとして考え、明るく笑っている人と、自分はこんなにがんばっているのにと不満で暗い顔をしている人では、どちらに幸運が見えてくるのだろうか?
 秀吉は百姓の倅、信長の草履取りから始まり、その苦労は絶えることがなかった。その秀吉曰く「下積みはムダではない。そこで人間が鍛えられ、人の心の痛みがわかるようになる。また下積みの時期をムダにしてしまうのではその人間に将来はない」と言うのである。
 下積みの時期に明るく笑顔で一生懸命知恵を出してがんばることによって、人から声をかけられ、信頼され、協力者が現れたり、助けてくれる人が多く現れてくるような気がする。
 不況の世の中、今が絶える時期であり、初心忘れず明るく笑顔で人と人とのつながりを大事にすることが良い方向に進むような気がするが、だがなかなかむずかしい。
【文:高田 金道】